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アラキドン酸が属するn-6系の働き

脂肪酸は、炭素数および不飽和結合の有無によって分類されます。
炭素数が7以下のものを短鎖脂肪酸といい、8から10のものを中鎖脂肪酸、12以上のものを長鎖脂肪酸と言います。
また、炭素鎖に二重結合あるいは三重結合を有しないものを飽和脂肪酸といい、二重結合、三重結合を有する場合は、不飽和脂肪酸と言います

アラキドン酸が属する脂肪酸は、炭素数が20個で不飽和結合が4つあり、メチル末端から数えて最初の二重結合炭素が6つ目ですから、n-6系となります。
これと同じ系列の脂肪酸は、リノール酸、γ-リノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、ドコサジエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、カレンジン酸があります。
これらの全てはアラキドン酸に深く関与していて、アラキドン酸カスケードによって各種エイコサノイドの原料になったり、アラキドン酸を再生成したり、抗酸化物質を生成し細胞膜の保護もしたりします。
中でもジホモ-γ-リノレン酸は、アラキドン酸由来のエイコサノイドの生成を抑制する正反対の性質を持っています。

飽和脂肪酸から酵素的に不飽和脂肪酸が導かれますが、この時酵素は酸素の存在を必要とするものです。
酸化によって生まれた酵素は、アラキドン酸カスケードに働きかけ多くの伝達物質やその他の物質を作り出します。
n-6系脂肪酸は、メチル末端からの結合位置が6番目で似かよった構造になっていますので、これにより様々な物質に変化させることが可能となっています。
※n-6系は、ω6系と同じ意味です。