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プロスタグランジンとロイコトリエンとアラキドン酸

アラキドン酸を知る上で大切なことは、アラキドン酸カスケードと言って、遊離されたアラキドン酸が代謝する過程で作り出す様々な物資を生成するということで、アラキドン酸そのものが直接作用するものではありません。

細胞膜内のリン脂質に存在するアラキドン酸は、ホスホリパーゼA2によって遊離されたアラキドン酸を基軸とした化合物や誘導体を生成します。
これらの物質は生理活性物質であるエイコサノイドと言い、この中には、プロスタグランジンやロイコトリエンそれにトロンボキサンなどが含まれています。
プロスタグランジンは11種類の様々な作用をしますが、代表的な作用は、血圧低下作用や血小板凝集作用、平滑筋収縮作用、末梢血管拡張作用などがあります。
また、アラキドン酸にリポキシゲナーゼが作用すると、ロイコトリエンが合成されますが、これは炎症反応において重要な役割をもった物質で、血管収縮(特に小静脈血管の収縮)と気管支収縮に関して効果があり、さらに血管透過性を増加させる働きがあります。
この2つの物質は、血管の収縮作用を互いに補完しあい血圧の調整をしています。

アラキドン酸カスケード以降のそれぞれの物質は全く異なった作用をするわけではなく、互いに助け合う作用や補完する能力を持っています。
これらの作用の根幹は、アラキドン酸の代謝反応によってなされていることです。